画像のアナトミー
「アナトミー」は、「解剖学」のこと。
イラストを分析する際に考えるイラストを構成するパーツ15個。
- 被写体
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メインモチーフ、焦点
- フォーマット
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画像フレームの形状と縦横比
- 向き
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縦横どちらが長いかを示す。肖像画は縦横、風景画には通常横長
- フレーミング
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題材を構図内にどう配置するかを指す。モチーフを小さくするのか大きくするのかなどなど。
- ライン
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線状の要素。どんな構図にも目に見えるライン・目に見えないラインが存在している。ラインが示す主たる方向はシーンのエネルギーに大きく影響する。
- シェイプ
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フレーム内の空間を大まかに分割した形状。構図内を多く占めるフェイプに注目する。ポジティブシェイプ とネガティブシェイプ が存在する。
- バリュー(明度)
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明るさの度合い。構図を明部、中間調、暗部だけで示すと色と焦点を定める手がかりになる。
- 色
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構図の中でも特に感情に訴える要素の一つ。検討する際は3〜5色に絞ると良い。
- パターン
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構図をまとめる全体的なデザインまたは繰り返しの要素。一体感が出せる。
- シルエット
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デザイン要素の輪郭内を黒く塗り潰したもの。
- テクスチャ
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要素の材質を示す情報。類似性を示したり、単調さを軽減したりすることができる。
- 光
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明るく輝く要素。光は様々な要素に影響を与える。
- 奥行き
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平坦さの度合い。または空間の感覚。被写体深度やパースがからんでくる。
- エッジ
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シェイプ を隔てる境界の強弱。ハード、ソフトなど。
- 動き
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全ての動く要素。
ライティング
種類
- 光源
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光の大元。
太陽がカテーン越しに室内に差し込む場合はカーテンが光源。
光色、光度、入射角、性質など、いろいろな光源が考えられる。 - ハイライト
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オブジェクト表面の最も明るい領域
- 減退
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光源からはなれることで光の量が減ること。
- オブジェクトの反射性
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オブジェクトの反射特性。光沢。
- 反射光
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間接光。照り返しによってオブジェクトの暗部側を照明する光。
- 影(投影)
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光がオブジェクトに遮られて他の面へ投影される影。
- コアシャドウ(明暗境界線)
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オブジェクトの明るい領域と暗い領域の境界線にある最も暗い部分。
- エッジライト、リムライト
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オブジェクトの外縁にできるハイライト。
- 固有色
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光の色の影響を受けていない、オブジェクトそのものの色。
主なライトの種類
- キーライト
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被写体を聡明するメイン光。太陽、窓、照明器具など。
- フィルライト
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被写体の暗部を照らして影の印象を柔らかくする役割。
- バックライト
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被写体を背景から際立たせる役割。
- キッカー
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ポインティング。髪の毛や部屋の隅などのディティールを際立たせる役割。
明るさ
- ローキー
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ドラマチック、謎めいた、緊迫したシーンに使用。
配色や構図にまとまりをつけやすい一方で焦点がなくなりやすい。 - ミディアムキー
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ニュートラルのシーンに使われる。
- ハイキー
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純真、神々しさなどを表現するのに向いている。
情報量が多く煩雑化しやすいため不要な要素を取り除くよう意識。
光の質
- ハードライト
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直進性の高い直接光。スポットライト、ヘッドライト、太陽など。
色が鮮やかで質感表現に富み、コントラストの強いシーン。
- ソフトライト
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様々な方向に拡散する間接光。曇天、朝日、夕陽、霧などを透過した太陽の光はソフトライトになる。
コントラストが弱まり、エッジも柔らかくなるので静かで柔らかなシーンに向いている。被写体の焦点ははっきりと、立体感が潰れないように気を付ける。
色
- 類似色
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カラーホイール上で近い位置にある色相の近い色。
- 補色
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カラーホイール上で反対側に位置する色。
カラーコントラストが強くシーンの視覚的な緊張を高める。 - 色相
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原色及び2次色の元になる要素。いわゆる色。
- 彩度
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ある色相の強さ、鮮やかさ、純度
- 明度
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明るさ、暗さ。
- 暖色
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相対的に暖かく感じる色。赤、オレンジ、黄色。進出色。
- 寒色
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相対的に冷たく感じる色。青や緑など。後退色。
- 明清色(ティント)
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白を多く混ぜた状態の色相。
- 暗清色(シェード)
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黒を多く混ぜた状態の色相。
- ニュートラル
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補色を多く混ぜた色相、再度が大きく下がる。
- モノトーン
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1つの色相の名声色と安静色だけを使った配色。
- グレースケール
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黒、白、ニュートラルだけを使った配色。
フレーミング
ショットのサイズ
- エスタブリッシングワイドショット
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非常に広い画。環境の地理やキャラクターがどういう状況にあるのか、どんな場所にいるのか、規模感などを表す時など効果的。
- 超ロングショット
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キャラと背景を同程度の重要度で見せる。キャラと環境との関わりを示すことにも有効なサイズ。キャラの表情やアクションを詳細には読み取れない。
- ロングショット
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超ロングショットより比較的キャラに重点が置かれる。ボディランゲージがしっかり見える。
- ミディアムロングショット
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ミディアムショットとロングショットの間。キャラがちょっと見切る。
より背景よりキャラクターに重要度が増す。 - ミディアムショット
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1枚の画に2人のキャラを入れられる。顔や表情の重要度が増し、姿勢、ボディランゲージ、衣装が見られるようになってくる。
- ミディアムクロースアップ
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キャラのバストアップ。顔に注目が集まり、キャラの外側より内側にフォーカスできる。
- クロースアップ
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アップショット。鑑賞者の関心を完全にキャラクターの内面及び感情に集中させることができる。
- ビッククロースアップ
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ほぼ頭のみ。キャラクターの表情や考えがより強調される。
- 超クロースアップ
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ほぼ顔のみ。ドラマチックなシーンに向いている。汗や涙など細かな表情に視線が行き、山場を迎えた瞬間の感情の高まりなどを表現できる。
- ディティール
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キャラクターの傷やイヤリングなど非常に小さな特徴を部分的に示すことができ、個性や特徴を伝えることができる。
カメラアングル
- 標準レンズ、アイレベル
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人間の視覚に近く、ニュートラルの状態。
- 標準レンズ、俯瞰ショット
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非日常の視点でシーンでビジュアルに面白さを加えることができる。
- 標準レンズ、あおりショット
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パースが強調されドラマチックな画になる。
- 広角レンズ、俯瞰ショット
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被写体との距離が近いと魚眼効果が得られ、水平線は湾曲し山並みはずっと遠くに見える。背景の家々は複数の面が見え他を強調しなくても面白いビジュアルが取れる。広角レンズで撮ると人物の距離が広がって見える。
- 広角レンズ、あおりショット
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非常にドラマチックな組み合わせ。上向の目線と広角レンズの組み合わせでパース、サイズの違い、空間の広さの感覚が増幅されている。水平線が傾いていることも、フレームに張り詰めた緊張感を加える。このように傾けたショットはダッチチルト、ダッチアングルなどと呼ばれる。
- 望遠レンズ、横からのショット
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非常に平面的で退屈なショット。このアングルを選択するとオブジェクトが平坦で奥行きがないように見える。遠近感がなく、まるで家と山が横並びにあるように見える。
- 望遠レンズ、俯瞰ショット
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最も非日常的なショット。鳥俯瞰。ビジュアルとしても非常に面白い。
- 望遠レンズ、正面からのショット
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落ち着いた見た目の退屈なショット。正面からの見た目はオブジェクトの一面しか見えない。遠近感、奥行き感が弱い
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